齋藤一徳のカブトムシ飼育術

齋藤一徳のカブトムシを買う前に

齋藤一徳

私は昆虫少年であった。
毎日外に出ては泥だらけになりながら、昆虫を探した。
見たことのないやつは図鑑で調べて、採った昆虫は家でおふくろに内緒にしながら弟たちと飼育したものだ。
特に私が夢中になって採取して飼育したのがカブトムシである。
当時の子供たちは皆、採った自分のカブトムシを戦わせたり、その形の美しさを競い合ったりしていた。
私もより大きくて角が立派な形のいいやつを探したものだ。
時が経ち、今はすっかりカブトムシが採れる山がなくなってしまい、わたしが毎日採っていたカブトムシが高値で売買されていることを知った。
カブトムシは今やビジネスの商品となっている。
しかし、子供たちがカブトムシをお金をだしてでも欲しいその気持ちは、やはり当時の私同様、カブトムシが子供の心を魅了して止まないのだ。
昆虫を採集するのが難しい今日にだが、飼育はまだできる。
一番大切なのはこの飼育にあると思う。自分の責任で育てぬくということは学校の勉強にも勝る教育である。
カブトムシは育てやすいし、愛情もかけやすいだろう。
ぜひ、お子さんと童心に帰り、カブトムシの飼育をしてほしい。